F値ってなに(被写界深度)?
カメラの液晶画面を見てみると、F22とか、F3.5とか、謎の数値があります。
それがF値(絞り)と呼ばれる数値です。なんの数字かって言うと、レンズを通す光の量を表しています。
数字が小さい程、光を多く取り込み、大きい程光を少なく取り込みます。
F値が小さい状態を絞りを開く(開放)、F値が大きい状態を絞っていると表現されます。
一般的に、
といったような設定があり、一段開くだとか、一段絞るという表現がされますね。
F値を変えると何が変わるの?
被写界深度という言葉があります。
私も最初は、「なにそれわけわかんない」と思ったんですが、分かりやすく言うと、ピントが合う範囲の事を被写界深度と呼んでいるんですね。
ピントが合っている範囲の広い写真を被写界深度の深い写真、ピントが合っている範囲の狭い写真を被写界深度の浅い写真と言います。
よく見る背景のボケた雰囲気のある写真は、この被写界深度が浅い設定で撮られている写真です(例外もあるけれど)。
そして、この被写界深度をコントロールするのが、F値ということになるんですね。
つまり、背景をボカした被写界深度の浅い写真を撮る時は
F1.4。
全ての被写体をくっきりさせた被写界深度の深い写真を撮る時は
F16。
という設定にすればOK。
また、F値は被写界深度だけでなく、シャッタースピードにも大きく影響します。
シャッタースピードのページでも説明しますが、写真を撮る=光を記録するということなので、F値が22だとレンズを通す光の量が少なくなり、当然シャッタースピードが長く遅くなります。
F値が1.4と高ければ光の量が多くなりシャッタースピードは速くなるわけですね。
被写体や、その時の状況によって、うまく使い分けていきましょう。
ただ、このF値、そうそうポップに設定出来るものではないんです…。
私のカメラにはF1.4なんて設定ないんだけど? -レンズとF値
こんな事がありえます。
ですが、それはお持ちのカメラのせいではないので安心(?)してくださいね。
なぜ設定出来ないのか。
それはレンズのせいなんです。
レンズには、「明るいレンズ」「暗いレンズ」と呼ばれるものがあります。
お持ちのレンズのここを見て下さい。
カメラメーカーによって表記の仕方はマチマチですが、ここにもF値が書いてあります。
写真のズームレンズの表記は1:3.5-5.6とありますね。この、3.5-5.6というのがレンズに於いてのF値と呼ばれるものです。
この数値が低ければ低い程「光を多く取り込める明るいレンズ」、高ければ高いほど「取り込める光の少ない暗いレンズ」ということになります。
このズームレンズでは、14mmの状態の上限(開放)がF3.5、42mmの状態の上限(開放)がF5.6です。
レンズの性能はF値だけで語れるものではないのですが、明るいレンズ程高価で良いレンズと考えていいかもしれません。
実際はF1.8のレンズが3万円で買えたりもしますが。。。
F値の使い方例
- F1.4
例えば室内で子供やペットの写真を撮る時。
室内の光量は限られていて、動きの速い子供やペットを撮ろうとするとブレてしまいます。
こういう時は、F値を高く設定しましょう。
短く速いシャッタースピードでバッチリ子供やペットを撮れるはず。
これはちょっとオーバー気味に撮りました。
- F11
旅行先での記念写真。明るいレンズでF値を高く設定してしまうと、背景がボケてしまって、せっかく撮ったのに、後日見たらどこで撮ったのかわからないなんてことになってしまいます。
屋外で条件が良ければ光量の心配はないので、F値は低めにしてシャープな写真を撮りましょう。